近年において越境ECの市場は急速に拡大しており、また、10年ほど前に比べるとかなり始めやすくなりました。
そこで「これから越境ECを始めてみたい」という事業者が非常に増えています。
また、越境ECを始めるにあたってどのプラットフォームを選んだらよいのかと悩む事でしょう。
実はこのプラットフォーム選びは非常に重要な問題なのです。
どのプラットフォームを利用するかによって、今後の経営が上手くいくかどうかを大きく左右するともいえます。
プラットフォームの中でも最も手軽に始めることが出来るのが、既存のショッピングモールに出店する方法ですが、その他にもaspを利用したショッピングカートなどがあります。
こちらでは、越境ECとは?について、また、おすすめのプラットフォームも比較していきますので是非参考にしてください。
越境ECとは?
越境ECとは何かを簡単に説明すると、ECサイトで消費者が購入した商品のうち、海外から発送されたものの事を指します。
例えば、自社製品や日本(自国)の商品を海外の消費者に向けてECサイトで販売し、海外消費者がECサイトで商品を購入する場合、これは越境ECとなります。
ちなみに、「越境」とは国境を超えるという意味のある言葉で、「EC(electronic commerce)」はオンラインショッピングの事です。
なので、越境EC=国境を超えたオンラインショッピングサイトというわけですね。
日本貿易振興会(ジェトロ)の調査によると、小売業者の中でECサイトで販売を行っているのは全体の24%しかいません。
その中でも越境ECで商品を販売している業者は半分にも満たないでしょう。
越境ECの市場は急速に拡大しているとはいえ、まだまだ実践している人は少ないのです。
日本ブランドの商品は、海外での価値が高く人気もあります。
この事をしっかりと認識し、越境ECにどんどん挑戦していくべきでしょう。
越境ECのメリット
越境ECの最大のメリットとして挙げられるのは、オンラインで売買ができる点です。
たとえ日本の商品を海外で販売したいと思っても海外に直接出店するにはリスクが高すぎますし、コストもかかります。
しかし、越境ECは全てオンラインで完結できるため、こういったリスクやコストがかかりません。
実店舗を持たない事で、在庫リスクや出店コストも抑えることができ、オンラインで注文が入ったら発送するだけなので非常に効率的なのです。
消費者側からしても、海外に直接足を運ばずに海外製品を手に入れることができるので、手軽に購入できるというメリットがあります。
また、もともと日本製品は品質が高いとして人気がありますが、その中でも化粧品や食材など身の回りのものは信頼のおける日本から買いたい、という人が増えています。
最近では特に世界で「日本製品」の認知向上も高まっている事から、今が越境ECで稼ぐチャンスだともいえるでしょう。
越境ECの種類は大きく分けて二つ
越境ECの種類は大きく分けて、自分でシステムを構築する「独立型」と他社のシステムを利用して販売を行う「ECモール型」の二つに分けることができます。
独立型の場合
自分でシステムを構築しECサイトを立ち上げる独立型の場合はは、自由にシステムをカスタマイズできるというメリットがあります。
しかし、知識がないと綺麗なサイトを作るのが難しく、作成するだけでもかなりの労力とコストがかかるでしょう。
ただし、独立型でも手軽に低コストで始める事が出来る方法があります。
それはインターネットを活用してアプリケーションを利用することができるaspを活用しショッピングカートを利用する方法です。
この場合、低コストで利用できるというメリットはありますが、それでもやはりカスタマイズが難しい点がデメリットとなります。
ECモール型の場合
ECモール型の場合は、既存のショッピングモールに出店するので出店してすぐに商品を販売する事ができるメリットがあります。
さらに、比較的低コストで出店できることや各種サービスが充実していることなどがメリットとして挙げられます。
特に始めたばかりの初心者の方が越境ECに取り組む場合は、ECモール型がおすすめです。
ECモール型のデメリットとしては、独立型に比べて自由度が低く自由にカスタマイズができない点が挙げられます。
また、ECモール型の場合は売上げの一部から販売手数料が引かれるパターンが多く、例えばAmazonであれば商品が1つ売れる毎に10%前後の手数料が請求されます。
始めやすく低リスクなのはECモール型ですが、販売手数料が意外とかかるのもデメリットです。
越境ECにおすすめのプラットフォーム10選
今後もどんどん市場拡大を続けていくと思われる越境ECですが、その中でも特に注目されているおすすめのプラットフォームを10選ご紹介します。
それぞれの特徴などについて比較していくので、是非参考にしてください。
- 天猫国際(T-MALL GLOBAL)
- 京東商城(JD.com)
- アマゾン(Amazon.com)
- アマゾン(Amazon.india)
- メルカリ(merucari)
- PChome商店街(PCホーム)
- G-market(Gマーケット)
天猫国際(T-MALL GLOBAL)
天猫国際(T-MALL GLOBAL)は、中国輸入の仕入れ先としても有名な「天猫(T-mall)」のグローバル版です。
T-mallは中国最大のショッピングモールと言われるアリババグループのECサイトですが、その店舗数約70000店舗を超えており、非常に市場規模の大きいECサイトだと言えます。
T-mallが中国国内法人向けECサイトになっているのに対し、T-MALL GLOBALは海外法人向けのサイトになっています。
もともとT-mallには高い品質のショップが集まっているため、アリババやタオバオに比べて質が良い事で知られていますが、
T-MALL GLOBALにも高い出店基準が設けられており、偽物や非正規品を徹底排除しています。
T-MALL GLOBALでは日本製品への需要が高いものの、この出店基準が壁となりT-MALL GLOBALで越境ECがしたくてもできない人も多いです。
ちなみに、T-MALL GLOBALで売れている日本の商品の中では、食品や飲料が38.5%と最も多い割合になっています。
その他にも衣類やアクセサリー、生活家電などが人気です。
京東商城(JD.com)
京東商城(JD.com)は、中国のECモールで第2位の規模を持つ直販型の越境ECです。
2015年6月には、日本製品専門サイト「日本館」を開設したことで、日本企業の進出が進みました。
国際物流を手がけるヤマト運輸(ヤマトグローバルロジスティクスジャパン)とも手を組んでおり、注文から配達まで最短4日のスピード輸送サービスが可能となっています。
そのためかなり出店しやすく、幅広い商品を取り扱う事ができるでしょう。
中国でまだ認知されていないような商品もブランディングをする事で、中国国内での認知度を上げてブランドとしての力も高められそうです。
アマゾン(Amazon.com)
アマゾン(Amazon.com)は、アメリカにとどまらず世界的に利用されている、大規模なグローバルECサイトです。
特にAmazon.comはアメリカのEC市場の5割を占めており、多くの人に利用されています。
アメリカ人の1/5人がprime会員となっており、アメリカ人の2人に1人はAmazon会員だと言われるほどアメリカ国内でのシェア率が高いです。
日本の製品も多く出品されており、非常に参入しやすいプラットフォームだと言えます。
なによりもこれだけの会員数がいれば、商品が売れやすいのは当たり前でしょう。
アマゾン(Amazon.india)
アマゾン(Amazon.india)は、インドの越境EC市場で最も注目されています。
世界的にシェアを伸ばしており、人口が多い事はもちろん人口の半数が24歳以下で若者が多い消費市場であることも魅力です。
また、インドの小売市場の拡大に伴い、Amazon.indiaの成長率も大きく飛躍しています。
経済成長が目まぐるしいインドでは今後、中間層や裕福層が増えるとされており、越境EC市場も急拡大する事が予測できます。
まだまだこれから成長を遂げるインドでの越境EC進出は欠かせないでしょう。
メルカリ(merucari)
メルカリ(merucari)は、日本でスタートしたCtoC向けのフリマアプリです。
日本国内にととまらずアメリカにもシェアを伸ばしており、国内でのフリマアプリダウンロード数トップを誇っています。
2014年にアメリカに進出した後、わずか1年8カ月で1000万ダウンロードを突破し、現在もその流通量は増え続けています。
勢いの止まらないアメリカ版「merucari」は特定のターゲットに絞らず、あらゆるジャンルや層が利用しているのが特徴で、出店ハードルも低いです。
他のECサイトに比べて誰でも手軽に販売できるとして、越境ECでも非常に注目されています。
PChome商店街(PCホーム)
PChome商店街(PCホーム)は、台湾最大のBtoBtoC型ECサイトです。
その他にも、BtoCの「PChome購物中心」、自社倉庫を活用し24時間配送を可能にしたBtoCの「PChome24h購物」など、複数のサイトを展開しています。
2005年10月に設立して以来あっというまに出店数も増え、現在は出店数は12万店舗以上、アイテム数も4億点以上の巨大ECサイトとなりました。
ECサイト開設のプラットフォームだけではなく、物流サービスも出店者に提供しているため、越境ECにも最適な場となっています。
なお、PChome商店街での一番売れ行きの良い日本商品は、食品となっています。
G-market(Gマーケット)
G-market(Gマーケット)は、2000年に設立された韓国最大のオンラインオークションECサイトです。
月間訪問者数 2,200 万人を誇る大規模なECサイトで、2009年にeBayが株の半数を取得したことで子会社化しeBay Korea社が運営しています。
オークションサイト兼ECサイトとなっていますが、基本的にはモール型ECとなっています。
商品に限らず旅行に関するアクティビティ予約なども承っており、幅広い商材を取り扱っているという特徴があります。
知名度も高く利用者も多いので越境EC向けですが、出店の審査が厳しい為やや進出が困難なサイトです。
最後に
越境ECとは?について、また、おすすめのプラットフォーム7選を比較しました。
日本の人口減少・少子高齢化により市場縮小が進む中、オンラインで海外進出できる「越境EC」を活用しないのはもったいないです。
越境ECはこれからどんどん拡大が進むはずですから、乗り遅れる前に始めておくのがベストです。
英語が話せないし読めないし、、と越境ECに対して難しいイメージを抱いているかもしれませんが、現代ではツールなどを利用して簡単に翻訳もできるため、実際には難しくありません。
今後ますます身近になってくる越境ECにいち早く先乗りしておきましょう。