Amazon Sponsored Brands Ads (旧ヘッドライン検索広告)は、ブランディングおよび見込み顧客の誘導させるためのAmazon広告の一種です。
Sponsored Brandsの機能は以前より進化し新しいターゲティングオプション、プレースメントが出来るようになりましたが活用できていない人も多いと思うのでここではスポンサーブランドの仕組み、新機能、設定方法、キャンペーンのパフォーマンスを最適化する7つの方法をご紹介します。
Amazonスポンサードブランド広告とは?
Amazonスポンサードブランド広告(旧ヘッドライン検索広告)とは、Amazonの検索結果にブランドのロゴやメッセージ、商品を掲載するバナー広告のことです。
スポンサーブランド広告はキーワードベースで検索結果の上位に表示されるため購買段階の早い段階で買い物客にリーチすることが出来ます。
スポンサーブランド広告は、特定の買い物客の検索クエリに対して貴社のブランドを表示することで認知度を高める効果的な方法です。またスポンサーブランド広告は、特定の製品カテゴリー、製品リスト、またはAmazon上のストアページに買い物客を誘導するために使用することができます。
Amazonブランド登録を行なっていることが配信の条件となります。
Amazonスポンサーブランド広告のコスト
スポンサーブランド広告は、クリック単価(CPC)に基づいて支払われ、インプレッションではなく、広告のクリック数に対してのみ支払われます。
コストは、ターゲットとするキーワード、製品、またはカテゴリによって異なります。
Amazonスポンサードブランドキャンペーンの作成方法
Amazonスポンサーブランドキャンペーン(ヘッドライン検索広告キャンペーン)の設定は、Seller Centralで以下の手順で完了します。
- キャンペーンマネージャーをクリック
- スポンサーブランドの選択
- キャンペーンの作成をクリック
- 広告ランディングページを選択
- キャンペーン予算の設定
- キーワードと入札を追加
- 画像と見出しを追加する
スポンサーブランド広告のアップデート
2020年にAmazonはスポンサードブランドのキャンペーンに対して、新しいプレースメントやクリエイティブ編集機能などの大幅な機能アップデートを行ってきました。
AmazonのSponsored Brandsの新しいクリエイティブ編集機能はCampaign Managerで確認できます。
他にもスポンサードブランドのプレースメントを拡大し、商品詳細ページを含むようにしたり広告主がCampaign Managerでスポンサーブランドのクリエイティブを編集できるクリエイティブ編集機能をリリースしたりしました。
またスポンサードブランドの言語設定をアップデートし、ブランドが多言語コンテンツを作成・管理できるようになりました。
ちなみに2018~2019年には以下のようなアップデートが行われました。
- 検索結果ページの下部と側面に並ぶ追加配置
- Amazonが予測した内容に基づいてASINを表示する動的なASIN最適化
- ネガティブキーワード、カテゴリー、ASINターゲティングを含めたターゲティング戦略の拡大
Amazonスポンサーブランド広告のベンチマークデータ
Amazonセラーのスポンサーブランド広告の支出は、2020年の四半期で前年同期比 47%増という驚異的な伸びを示しています。
この増加は、2019年第4四半期に見られた27%の支出以上の増加率を表しています。スポンサーブランド広告経由の売上増加率は57%と、さらに急速に成長しています。
Amazonスポンサープロダクト広告と比べると利用率が少ない(スポンサープロダクト広告:スポンサーブランド広告=8:2)もののブランド登録が可能なセラーは全体から見れば一部に限られるため積極的に活用したい広告です。
スポンサーブランドのパフォーマンスを向上させる7つの戦術
1. ブランド検索とノンブランド検索のセグメント化
Amazonヘッドライン検索広告を利用する際の重要な戦略の一つとして、トラフィックを誘導しているランディングページとキーワードの意図を一致させることが挙げられます。
例えば誰かが “Panasonic “と検索した場合、Panasonicブランドのストアフロントページにトラフィックを誘導することが一番理にかなっています。
しかし検索時点では”Panasonic”で検索した時はシェーバーのスポンサーブランド広告が表示されました。
panasonicの一番の推しがシェーバーの可能性があるのでこれ自体は間違いではありませんが広告運用的にはストアページに誘導するのがベストです。
検索クエリから判断すると、買い物客は “Panasonic”ブランドの商品が欲しいことは分かりますがドライヤーが欲しいのか洗濯機が欲しいのかどのような商品が欲しいのかは正確には分からないためです。
ちなみに「Panasonic シェーバー」と検索した際はシェーバーが表示されます。
このようにより具体的な検索意図を持つキーワードに対して適切なリンク先を設定することが重要です。
しかし”Panasonic テレビ”で検索するとLGやハイセンスが”Panasonic 電動歯ブラシ”で調べるとPhilipsが”Panasonic 美顔器”で調べると中国のマイナーメーカーが表示されることがありました。
競合他社の商品名やブランド名へのキーワード入札は、Google Adwordsなどでは「NG行為」とされていますがAmazonではまかり通っていて実際高い効果を発揮しています。
将来規制対象になる可能性はありますが広告の使い方が上手い外資企業は積極的にこの手法を使っているのが現状です。
ここでの黄金律は、キーワードに基づいて最も関連性の高い広告を見込み顧客の前に置くことで、買い物客の摩擦を減らすことです。
より詳細なキーワードデータを得るために、ブランドキーワードと非ブランドキーワードをセグメント化することが重要と弊社は考えています。
ブランド検索は一般的にインテントが高く、ACoSが低いためこれらのキーワードを非ブランドのキャンペーンと混在させると、ブランドと非ブランドのキャンペーンの真のパフォーマンスを見ることができなくなる可能性があるのでセグメント化しましょう。
2. 適切なキーワードを見つける
スポンサードブランドの広告キャンペーンを最適化するもう一つの方法は、自動キャンペーンから追加キーワードを収穫し、スポンサープロダクトキャンペーンのキーワードコンバージョンデータを活用することです。
多くの広告主は、自動キャンペーンデータを活用しますが、設定忘れを起こしてしまう企業が多いです。
スポンサープロダクト広告に関しては弊社ではAIを活用して自動運用して高いパフォーマンスを発揮していますがスポンサーブランド広告に関しては手動で運用した方が効率がいいです。
AIを活用しないとしてもスポンサープロダクト広告の入札結果データをスポンサーブランド広告の運用に活用するようにしましょう。
スポンサードプロダクト広告とスポンサーブランド広告の違いは、スポンサープロダクト広告を使用すると、どの検索語が広告を生成したか、またはコンバージョンにつながったかを見ることができるということです。
Amazon検索語レポートをダウンロードすると、買い物客がどの検索クエリを使ってあなたの商品を探しているかを知ることができます。
スポンサー商品キャンペーンのキーワードデータを活用して、どのキーワードが販売につながったかを表示することで、この問題を回避することができます。
この情報は、Amazon検索用語レポートをダウンロードすることで確認することができます。
スポンサープロダクト広告で検索用語レポートを分析するときに見たいのは、生のデータです。レポートには以下のような様々なメトリクスが含まれています。
- 注文数・・ASINごとのキーワード/検索用語ごとのコンバージョンされた注文の総数。
- 製品売上高・・ASINごとのキーワード/検索語ごとの製品販売数の合計。
- クリック数・・ASINごとのキーワード/検索語ごとのクリック数の合計。
- ACos・・広告費/商品価格×100(%)
3. ACoSとビジネス目的に応じた入札の最適化
どのキーワードがコンバージョンに繋がるのかが分かったら、製品ごとに広告費売上高比率(ACoS)に基づいて入札を最適化する必要があります。
弊社では細かな入札価格の調整が重要なスポンサープロダクト広告は日単位で調整を行いスポンサーブランド広告は週単位ACoSと利益率に基づいて調整しています。
企業によっては、ノンブランド検索で自社製品を表示させたい場合、30%以上のACoSを支払うことを厭わない場合もありますが基本はパフォーマンスベースであれば、高いACoSキーワードには入札を下げ、低いACoSキーワードには高い入札をすることになります。(厳密にはもっと細かいルールを全skuに対して調整します)
より成長とブランド認知度に焦点を当てている場合はスポンサーブランド検索広告が特定のキーワードで表示されるようにするために、より高いACoSになっても問題ありません。
4. 検索意図を持って広告コピーを最適化する
スポンサーブランド広告ではキャッチコピーを表示出来るためキーワードの関連性とCTRのために広告コピーの見出しとテキストと広告キーワードの一致率が重要になります。
5. 複数の組み合わせをテストする
スポンサーブランド広告で1つのキーワードに対して表示できる商品数は3つまでであるため異なる組み合わせをA/Bテストして、どの組み合わせが最もパフォーマンスに影響を与えるかを判断する価値があります。
以下のすべてを調整してテストすることができます。
- 見出し
- 画像
- ASINの数
- ASINの順番
- カスタムランディングページの選択
- ブランドロゴ
認知度の高いブランドでない限り、通常、製品画像の方がノンブランド検索でのパフォーマンスが良くなります。
また、Amazonヘッドライン検索の広告は、設置場所やデバイスの種類によって表示が異なります。
例えば、スマートフォンでは1枚の画像しか表示されないため、広告主はその1枚の画像にブランドロゴを表示させるか、自社製品を表示させるかを決定する必要があります。
スポンサーブランド広告のA/Bテストは以下のように行います。
- 複数のキャンペーンを同時に実行するように設定する。
- 一度に1つの変数を変更する。
- 少なくとも2週間テストを実行する。
- ビジネス目標とテストのセットアップに基づいて最適な方を選択する
- 以下繰り返し
6. レポーティングデータを活用する
キャンペーンレポート内で、スポンサーブランド広告キャンペーンのクリック数、消費額、売上、およびACoSを確認することができます。
このレポートを使用して、詳細ページビュー(DPV)とクリックスルー率(CTR)を分析し、買い物客がカスタムランディングページを通過しているかどうかを判断します。
1~2週間という期間で特定のキーワードがのパフォーマンスが良くなくてもそれがまだ数百円程度しか広告費がかかっていない場合サンプリングデータに偏りが発生している可能性もがあるので残しておくのがおすすめです。
しかし1ヶ月以上経っても結果が出ずにコストがかかっていることが分かれば調整が必要であることが分かります。
キーワードデータ、スポンサープロダクトからのキーワードコンバージョンを測定し入札価格を調整するしても24時間程度のラグがあることに注意しましょう。
価格を毎日調整することは重要ですが数時間ごとに価格を変えても意味がないということです。
7. 左位置や下位置よりも上位置に配置するために入札を優先させる
Amazonは最近、スポンサーブランドのプレースメントをページの左カラムと下部にも拡大しました。
スポンサープロダクトが昔上段だけだったのと同じですね、今は中段、下段もあります。
広告主は、デフォルトでは自動入札オプションを使用してすべてのプレースメントに登録されています。
新しいプレースメントは中段より下に表示されるため、CTRが低くなり、広告コストが上昇する可能性があります。
スポンサードブランド広告を中段より下に表示させたくない場合簡単な回避策があります。
- スポンサーブランドキャンペーンのキャンペーン設定を開きます。
- 自動入札を選択し、手動に変更します。
これで、中段以下のすべてのプレースメントの入札を減らすことができます。代替プレースメントに広告を表示させたくない場合は、入札を99%減少させてください。
Amazonスポンサーブランド広告の活用方法まとめ
Amazonスポンサーブランド広告はコスパよく売上を増やすことが出来る手段であるにも関わらず上手く活用出来ていない企業が多いので今回の記事で正しいやり方を学んでぜひ差をつけてください。
Amazonスポンサープロダクト広告は完全に数字の世界なのでAIに任せた方が圧倒的にコスパがいいですがスポンーブランド広告に関してはまだしばらくは今回の記事で紹介したやり方で手動で運用するのが一番高いパフォーマンスが出ると思います。
弊社ではAmazon広告の自動運用ツールを100社以上に導入しているのでもし興味を持った場合はぜひお問い合わせいただければと思います。